第51回衆議院議員選挙の結果分析(5)―その他諸問題―
渋谷 一三
475号(2026年03月)所収
1.選挙制度改革の必要性が浮き彫りにされた。
自民党は比例区で他党に14議席をゆずった上で、316議席を獲得し、単独で衆議院の3分の2を占めた。
次の参議院選挙で自民党が同じような「大勝」をすることになれば、改憲勢力は憲法改正を発議出来る議席を獲得することになり、その時点の与党が暴走したらとんでもない「憲法改正」が実現してしまう。ナチが飛躍的に議席を増やす前に“法改正”をして独裁体制を構築していった歴史を想起させられる。
世論調査でも野党がもう少し議席を取るべきだったという意見を述べる人が50%を越えている。憲法改悪への危機意識がふつふつと湧き起こっている。
このような激しい変化(ぶれ)は投票結果からも指摘できる。
小選挙区全体での自民党の得票が約2771万票で49.09%であるのに対し、「中道」は約1221万票で21.63%もあった。
自民党の半分近くの議席を取っていてもおかしくない比率である。
なのに、このような自民圧勝という結果をもたらした選挙制度は改革することが迫られている。さもないと、国民の意志に反して危険な方向へ暴走するのを阻止できなくなる。
こうした歴史的課題に対して、比例選出の議員を50名減らせという維新の要求は犯罪的である。
比例を8ブロックに分けるのを止め、参議院のような全国区にするだけでも大分と改善される。
まともな党は維新と対峙し、全力で選挙制度改良に取り組むべきである。
2.立民は「中道」を解散し、立民に戻して党を再建する以外にない。
公明は立民を取り込むために「中道」の代表選に出馬しない戦術をとった。出馬しないことを決めた泉健太氏の判断は賢明である。
選挙結果=「中道」の大敗が「中道」を解散せよという民意なのに、「中道」を立ち上げた面子に拘泥している野田氏に発言権などない。
