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新型コロナ肺炎に見るファシズム(7)

渋谷 一三
438号(2020年5月)所収


新型コロナ肺炎に見るファシズム(6)より続く)

16.維新の会と安倍派の相違の拡大

 ファシストが政治権力を握っている状況が世界的に進行している。
 日本に於いては、維新の会と安倍派がそれなのだが、今回のコロナ肺炎事態で、安倍派の方がよりファシズム体質であることが鮮明になった。

 維新の会は5月に入るや、「出口戦略」を具体化し始め、『コロナ死者を一人でも少なくせよ』とでも言うべき一面的プロパガンダからの脱却を試み始めた。
 筆者の予想に反して、疫学からのアプローチだけではなく、経済の崩壊からする死者にも顧慮して、その立場からの発言を拾って総合的に判断していくのが政治家というものだという論調を展開し始めた。
 他方、安倍派は「専門家会議」なる御用学者の集団の言いなりになるのを旨とし、全くの無方針・無策を露呈している。2カ月も休校にしておいた挙句に、もう1カ月休校にすることを決め込んだ。「お前のせいで死んだのだ」と追及されるのをおそれるあまり、非常事態宣言状態をだらだらと続けるのが安倍派であり、維新の会は安倍派のこうした体たらくを公然と批判し始めている。
 ファシスト同士の独特の蜜月関係を続けてきた両者であったが、大ブルジョアを非難しそこと戦っているかのような印象をまき散らかしながら小ブルジョアと下層階級を煽動していくという意味では、維新の会の方がファシストらしい。
 だが、『コロナ死者を一人でも少なくせよ』という一点から反論を封じ一方向へ雪崩を打たせる煽動政治という意味では、安倍派の方が、よりファシストらしい。
 この期に及んでもマスク疑獄を行っている安倍の収賄体質はどうしようもなく、安倍派を撲滅して維新の会の躍進を図るのがファシズムの王道となっている。
 
 維新の会は、こうした事情をするどく嗅ぎ分けて、倒産の瀬戸際に立たされている飲食店の店主や、就労機会がなくなって飢餓線上をさまよっているフリーターや派遣社員などの労働者階級下層などの利害を代弁することに成功している。
 安倍はその政治手法がファシストなだけで、所詮は小ブルや下層の利害を感じ取ることなど出来ない無能なボンボンにすぎない。安倍派はファシズム運動を領導する能力など全くない存在であることが暴露された。
 むしろ、鬱積し方向を見失った下層のエネルギーの爆発によって吹き上げられただけの存在であることが露呈した。
 今後、安倍派は急速に没落し、維新の会が急速に支持を拡大していくだろう。

 本稿を時系列で追っていただければ、筆者の主張と維新の会の主張が奇妙に一致してきたことに気づかれるだろう。
 筆者は当初から一貫して『医療崩壊が起きるかどうかが分岐線』であることを論証してきた。筆者にとっては意外なことに、5月に入ってからの維新の会の論調は「休業・休校・移動制限一辺倒からの脱却」に舵を切り、『大阪モデル』を発表するに至っては、大差のない主張になってしまっている。
 
 ファシズムの奥の深さ、そのメカニズムの単純さに比して、その克服の難しさが明示され始めている。

18.医療崩壊を起こさない態勢の構築に尽力し、生産活動の復旧を急ごう。

 筆者が検討してきたように、インフルエンザと死亡率に大差はない。
 違うのは、判定までに2週間も隔離をしなければならないという点であり、だからこそ、医療崩壊が起きるという危機がある点である。医療崩壊を起こさない為には、医療態勢の構築とマスク・防護服などの国産化と供給力アップ、CPR検査の早期大量実施などの具体的措置である。
 ここに予算と人員を強力に投入すべきである。
 だが、安倍内閣はこの点には驚くほど無関心で、Go to 政策などの的外れの政策と移動制限・休校・休業などの制限政策しか考えられない無能さを露呈している。
 休業などは早期に解除していくべきである。経済の凋落は限界に達している。崩壊寸前で、休業解除をすればいつでも復活できるというものではない。

2020/05/10


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