[HOME | バックナンバー | 綱領 | 戦術・組織総括 | サイト内検索 | パンフレット ]

アベノミクスなるものの破産を自認した新3本の矢の茶番

渋谷 一三
402号(2015年11月)所収


<はじめに>

IMFがアベノミクスなる金融緩和策を批判するに至って、自画自賛・厚顔無恥を
得意とする安倍晋三でも「安倍のミックス」を強弁することが出来なくなり、「新」「3本の矢」なる荒唐無稽な「政策」を唱え始めた。
公明党よろしく、ウソも唱え続ければまことしやかに聞こえてくるというものだそうだ。
本稿では、新3本の矢がいかに無内容なお題目であるかを暴露する。

1. 金融緩和策は何をもたらしたか。

市中の無利子同様で供給される日銀の資金は、市中に直接供給されるわけでもなければ、一般市民にほぼ無利子で貸し出されるわけでもない。市中銀行に供給されるのがその実際であり、日銀資金がどこに向かうかは、市銀の胸先三寸にあるといってよい。
 実際はその市銀にも選択肢はない。
 企業は潤沢な内部留保で資金の需要はない。トヨタが銀行を作れるほどの有り余った資金を持っているのは有名な話である。
 金融緩和策によって市中に供給された資金は実体経済には向かわず、金融市場に流れ込む。多額の資金が株式市場か為替市場に流れこむ。株式市場に流れ込んだ資金は、株の買い漁りを生み、株価が急上昇する。実体経済とは何の関係もなく、株式市場における需要と供給の関係のみによって株価が急上昇するのである。
 バブルの発生です。
 
資金が新興国市場に流れ込めば、新興国のバブルが発生する。中国のバブル発生とその最近の崩壊は、中国当局の歪んだ資本主義のせいばかりではなく、米・日などの資金が中国株式市場に流れ込んで起きた現象でもあります。
中国のせいで世界株安がもたらされて迷惑しているかのように喧伝して、自らの失政を隠すための「渡りの船」にしている安倍政権だが、中国株のバブルとその崩壊には少なからぬ「責任」がある。
先進国の金融緩和策が、中国株式市場のバブルを生み、その崩壊を生ませたのです。
金融緩和策を始めた段階で、今日の日経平均の暴落は必然であり、織り込み済みでなければいけない事態なのです。

2. 追加金融緩和はできない。

バブルは、いつかは崩壊する。今回の中国バブルの崩壊のきっかけは米国連銀の0金利政策の終結だった。が、米連銀が利上げを見送っても、中国の株価はもとより、世界株安も収まらなかった。バブルの崩壊だからです。
金融緩和で手にした資金で株を買い漁ったら、利益を出すためにはこれを高値で売るしかない。売って利益を確定してしまえば、再び金余りになる。
再び利益を出すには株価が暴落することが望ましい。この下がった株価で再びダブついた資金を使って株を買い漁ることがベストです。バブルは崩壊させた方がよい。ところが、この局面で追加金融緩和を行えば、ダブついた金に追い銭をすることになり、収拾のつかない事態になる。
追加金融緩和は、したくても出来ない。IMFに言われなくても出来なかったのだ。

「安倍のミックス」の実体はジャブジャブの金融緩和をして、通貨を切り下げ、輸出主導型の旧来的産業構造の延命を支援し、物価を吊り上げることでインフレを実現するというものだった。これ以上の内容はない。
したがって、追加金融緩和が出来ないという時点でThe End 。安倍ブレインは、「安倍のミックス」の破綻を糊塗し、愚かな民衆を三度騙すために「新3本の矢」という美しい言葉の羅列を始めた。
「新3本の矢」という実体のないものを批判の矢面に立てることで、戦争法案を強行可決したことを忘れていただいて、参議院議員選挙で自民が単独過半数をとるためのイメージ戦略が成功すればいいのだ。


[ このページの先頭へ]