[HOME | バックナンバー | 綱領 | 戦術・組織総括 | サイト内検索 | パンフレット ]

破産が約束されているアベノミクス

渋谷 一三
388号(2014年5月)所収


 アベノミクスなる経済政策を打ち出している経済「理論」は、1995年以前の経済システムに基づいたカビの生えたマネタリストの金融政策であり、それも期待値あるいは仮想値を前提にした「理論」です。
 米国が自ら行ったグローバリゼイションによって資金調達に信用創造が必要でなくなった95年以降は、マネタリストの単純な数式は全く通用しなくなっている。
 彼らの数式は、比例という実に単純化された、現実にはない事態を叙述しているにすぎない式です。Mv=PTというのがそれです。Mは貨幣数量、vは貨幣流通速度、Pは物価水準、Tは取引量を表す。
 この単純な数式を信奉する黒田日銀総裁の思惑では、貨幣数量(M)を増やせば、取引量(T)が増えるか、物価水準(P)が上昇するはずだというものです。だが実際には貨幣数量を増やした時にはバブルが起き、増やした貨幣を回収しようと利率をあげると新興国が大打撃を食らうという事態の繰り返しが起きただけでした。取引量はむしろ収縮し、物価水準はデフレになったのが現実に起きたことで、この数式には何の説得力もなかったのです。

 他方、安倍政権は労働者派遣法を改悪し、事実上無限に派遣労働者を雇い続けることができるように労働政策を改めようとしている。この政策がもたらす結果は、下層労働者の増大と下層労働者の労働条件の悪化であり、労働賃金は下がる一方である。
 「第3の矢」である労賃の上昇などはあり得ない政策を推進しているのであり、国内市場はますます狭くなる政策を推し進めているのです。
 
 だから、アベノミクスはもともと成立しない。「第3の矢」を持ち出して、労働者階級の生活が改善するかのような幻想をもたせて資本家階級の強収奪を実現することによって日本の資本家の延命を図ろうとする極めて狭量な資本主義の実現を目指す政策体系をアベノミクスと呼んでいるのです。
 例えばローソンや森永が潰れようが、資本主義全体にとってはどうでもいいことで、セブンイレブンがあるし明治製菓があるというものにすぎない。安倍政権の資本主義そのものの構想力自体が狭量なのです。
アベノミクスは初めから破産していたのです。


[ このページの先頭へ]