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民主党は参議院議員選挙で予想通り敗退した

渋谷 一三
347号(2010年7月)所収


 民主党が参議院議員選挙で大敗した。選挙区では自民党が第1党に返り咲いた。みんなの党など、前回自民党だった部分の議席を合わせれば、民主党の大敗と認識すべきである。
 だが、比例区だけ見ると過去最高の得票数だから、敗北ではないと強弁することも可能ではある。したければどうぞ。
 小沢戦犯論を蒸し返して菅の責任逃れをする部分もある。小沢の選挙活動がなかったらもっと大敗したとも言えるので、小沢と鳩山の「政治と金の問題」が影響したなどと言うことも意味はない。
 敗北から学ぶ姿勢のない人物には、どのような言い訳も可能なので、好きなように言い訳をすればよい。
 民主党の敗因はすでに選挙前の拙稿で述べている。
 鳩山政権の終焉は、普天間問題でのあまりの拙さ・背信・引き回しその他ありとあらゆる罵詈雑言が適用できる路線のなさが直接の原因であって、「政治と金の問題」が支持率急降下の原因ではない。こう考えられない人物に未来はない。「真摯に受け止めて、新たなスタート」などと言い訳しているような人物に未来などないということである。
 小沢が複数候補を立てたのが間違いだなどと言っていた部分は大分と静かになった。共倒れになったところは一つもなかったからである。それどころではない。みんなの党が立候補しなかったならば大阪選挙区では2議席取れたであろう。同じことだが、菅の蒙昧な態度がなければ複数の選挙区で複数議席を取れたであろう。
 みんなの党の躍進は「無党派層」の大半の支持をみんなの党が得たということだ。自民党がこの9年間で最大の議席を得ているのであるから、みんなの党の票は自民支持層とは相対的に別のところから来ているとみるべきでしょう。するとやはり、みんなの党が無党派層の支持を得たということであり、今回の参議院議員選挙の特徴は<みんなの党>ということになる。実際、得票率は10%近くになり、公明党を抜いてしまったのだから、「民意はここにあり」といって過言ではない。
 そこで、みんなの党の政策を見てみよう。
 菅の消費税10%発言(どう言い訳しようと、客観的には、こう発言したのだ)に対し、みんなの党は消費税の増税はなしの発言。未来永劫増税はないとは言ってはいないものの、最もしっかりと増税を否定している。行革を推進するのが党是なのだから、増税を実際上否定している唯一の党である。
 この点で、菅がみんなの党の躍進を後押しした部分が大きいので、みんなの党そのもののインパクトは差し引かねばならない。しかし、国のみならず都道府県単位でも市町村単位でも、それぞれのレベルで膨大に出来上がってしまっている外郭団体とそれによる膨大な浪費は、国家予算の規模と同程度ではないかと思われるほどである。ここを解体すると言っている唯一の党がみんなの党です。民主党は外郭団体の解体をするかのように公約して政権をとったが、実際には何も解体できずにいる。高速道路を無料化して道路公団を兵糧攻めにするかのように主張しておいて、実際には差額を税から負担して空前の売り上げ増を実現して、公団の強化に貢献し、国庫を空にして消費税を増やさざるを得ない現実を作り出してしまっている。自民党は行革を叫び続けて増税への道を掃き清めているだけである。渡辺の首を切ってしまった。そのことを何等反省していない。
 同じく行革を唱えたかのように見える創新党は、地方分権が解決であるかのように主張しただけで、地方レベルの方がより汚職もしやすいし実際に外郭団体・天下り団体も国に負けていないことを隠している。隠していないのであれば、そんな現実すら見ることのできない蒙昧な政治屋の集まりでしかないことを自己暴露してしまっている。支持が伸びないのは当然である。
 かくして、唯一税の無駄遣いを無くす路線を提唱したのが「みんなの党」であると断定することができる。
 民意は、増税に反対し、公務員の天下り団体の全廃を要求している。
 年金を切り下げたために、天下り団体をたくさんつくり定年後も働き収入を得る道を用意するしかなくなった。これが、年金に税を投入することなどくらべものにならない無駄遣い構造を生みだした。同時に若年層の失業率を増大させている。
 だが、年金改革と外郭団体撤廃とを結びつけて提起している党はない。
 社民党も日本共産党も労働者階級の党の政策を提案する能力すらない。
 民主党の大敗とみんなの党の躍進は全く同じ根拠に基づくものであった。それは同時に労働者階級の党の不在を改めて鮮明にした。


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