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民主党は参議院議員選挙で敗退するだろう

渋谷 一三
346号(2010年6月)所収


 菅首相はそのツケ刃浅薄な知識と思想のなさを早くも露呈している。この男の最終目標は首相になることだったようで、首相になった途端に目標を失い、迷走している。
 消費税を上げるそうだ。10%にするそうだ。その根拠はない。だから、自民党の案を参考にするという。この男ときたら、高速道路の無料化を言い出した。道路公団を解体するためではない。運送業を支援し、輸送コストを下げ、物価を下げ、日本の工業の国際競争力を回復しようとするなら論理的一貫性があるが、この男は、インフレ・ターゲット論崇拝者ときている。話にならない。
 インフレ・ターゲット論は言い出されて10年が経つがどこの国でも成功したためしはない陳腐な夢想にすぎない。インフレにすることによって国際競争力を回復しようというのだが、後進国の賃金水準が上がらない限り、帝国主義本国の国際競争力が回復することはない。
 運送業を支援することが念頭にないために、現行の高速道路の割引制度を維持することしかなく、平日の運送料金が安くはならず、土日は渋滞に巻き込まれ仕事が過重になるだけ。無くなればいい道路公団には割り引き分の補填をするために、道路公団の収入は以前より増える結果になった。この悪政を正そうという発想などない。おまけにあおりを食らったフェリー業界には補填がないという不公平な政策をただすどころか、平日にも拡大して財政赤字を増やし、フェリー業界そのものを潰し、そのばらまきの後始末として増税をしようとしている。
 この浅薄な男の頭の中には、30年前のケインズ主義の経済思想しかなく、それも極めて低水準のケインズ主義者が聞いて怒るほどの「経済」「学」しかない。
 企業の側からみても増税は資本流出しか生まず、企業サイドの国際競争力も削ぐことになる。増税が評価されるのではなく、財政赤字がなくなることが評価されるのだが、こんなことすら理解していない。
 財政赤字を減らすのであれば、高速道路の割引を直ちに止めるか、差額の補填を一切やめることだ。こうした政策の一貫性はない。経済「学」すらない証左である。
 普天間は辺野古に「移転」。何のことはない。14年前の自民案、14年も実行に移されなかった自民案に戻っただけだ。鳩山政権を潰して、結局何も変えなかった菅政権のセンスの無さにもあきれる。米国と再交渉するカードが鳩山政権崩壊だったのだが、何にも利用していない。
 民主党は参議院議員選挙で手痛い敗北を喫するであろう。それが、前回の衆議院選における自民党の惨敗程度にならないのは、自民党の腐敗・崩壊のおかげであり、その他の野党の反対主義政治の限界に守られてのことである。こうした条件がなければ、民主党は惨敗するのだった。


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